Posted byよなご矯正歯科 院長 永瀬志保
「インプラント」は矯正治療でも使用することがあります。
患者様のなかには「大がかりな手術をするの?」と驚かれる方もいますが、矯正治療で使用する場合は軽い手術で済み、痛みや腫れが目立ちにくいのが特徴です。
こちらのページでは、一般的なインプラントとインプラントアンカースクリューの違いを注意点を含めてまとめました。ぜひご参考ください。
目次
デンタルインプラントとインプラントアンカースクリューの5つの違い
「インプラント」と同じ名前がついていてもデンタルインプラントとインプラントアンカースクリューはまったくの別物です。2つの決定的な違いをみていきましょう。
用途
デンタルインプラントは、歯を失ったあとに行う機能回復のための治療法です。機能回復を目的とした治療法にはインプラント以外にも存在し、入れ歯やブリッジなどが挙げられます。
一方でインプラントアンカースクリューは、歯を動かすための固定源を作る治療法です。デンタルインプラントのように歯の代わりにはなりません。
見た目
デンタルインプラントは歯を失った部位を補うためのものであり、大きさは天然歯と変わりません。顎骨に埋入するインプラント体は太いネジのような見た目をしていますが、埋入後は外からは見えず、人工歯の部分のみ出ている状態になります。人工歯には透明感のある自然な白さに仕上がるセラミックを使用していますので、天然歯と並んでも違和感がありません。
一方でインプラントアンカースクリューは、直径1.4〜2mm、長さ6〜10mm程度の小さなネジのような見た目をしています。歯ぐきから少し出ている状態にして固定源として使用します。
治療期間
機能回復を目的としたデンタルインプラントは、3か月〜1年で治療が終わり、その後は歯として使い続けます。
一方でインプラントアンカースクリューは、1〜2年使用して必要なくなったら撤去しなければいけません。撤去は麻酔無しでも可能ですが、ご希望の方にはしっかり麻酔をして行いますのでご安心ください。
費用
デンタルインプラントの費用相場は、1本あたり300,000円〜400,000円です。保険は適用されず自費診療となるため、歯科医院によって設定金額が異なります。
インプラントアンカースクリューの費用相場は、1本あたり10,000円〜30,000円です。矯正治療も基本的に保険は適用されません。こちらも歯科医院によって設定金額が異なります。
痛みやリスク
どちらも手術中は麻酔が効いているため痛くはありません。しかし、本体の大きさや手術のやり方にちがいあるため、術後の痛みやリスクは異なります。
デンタルインプラントのほうが術後の腫れや痛み、感染リスクは高めですが、処方する薬で対処可能です。インプラントアンカースクリューも小さいからといって安心はできず、歯ぐきに汚れが付着していると炎症をおこしますので、丁寧なお手入れが欠かせません。
インプラントアンカースクリューを取り入れるメリットは?
インプラントアンカースクリューは、矯正治療で使用する小さなインプラントです。
歯ぐきに埋入するため不安を感じる方も多いですが、丁寧に管理をすれば問題はありません。
インプラントアンカースクリューを使用することで治療にどのようなメリットがあるのかをみていきましょう。
治療期間の短縮
自由に固定源を設定できるため、歯の動きに無駄がありません。結果的に治療期間が6〜9か月程度短縮されます。
理想通りに仕上がりやすい
移動させたい歯だけを確実に動かせるため理想どおりに仕上がりやすく、その分患者様の満足度も高めです。
インプラントアンカースクリューについてのよくある質問
インプラントアンカースクリューについてのよくある質問をまとめました。
お悩みの内容が以下にない場合は、お気軽に当院までご連絡ください。
Q. アンカースクリューをしないとどうなりますか?
奥歯を固定源にすることになります。出っ歯を下げるときに奥歯が前に動いてしまうため、歯を並べるスペースを100%有効活用できなくなります。
Q. 歯ブラシの毛先は当てていいのでしょうか?
インプラントアンカースクリューの周辺は汚れがたまりやすくなっています。歯ブラシの毛先を歯ぐきに優しくあてて磨いてください。
歯ぐきが腫れてインプラントアンカースクリューが埋もれてしまうと、治療を中断する必要があります。
Q. 撤去した後の傷は目立ちますか?
インプラントアンカースクリューを撤去したあとの歯ぐきの傷は、撤去して数日は少し赤い状態が続きますが、徐々にもとの状態にもどるため目立ちません。