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子どもの矯正治療と大人の矯正治療は何が違う?それぞれの特徴と注意点について

2023.07.25

Posted byよなご矯正歯科 院長 永瀬志保

「子どもの歯並びや噛み合わせが気になるけど、いつ治療をはじめようか悩んでいる」という声は少なくありません。

子どもの矯正治療を「小児矯正」、大人の矯正治療を「成人矯正」といいますが、メリットとデメリットが異なり、適切な方法は患者様の歯並びや顎骨の状態、お口周りの癖の有無によっても異なります。まずはそれぞれの特徴や注意点を理解することからはじめましょう。

成人矯正にはない小児矯正のメリット

小児矯正はお子様向けの矯正治療で、主に歯の生え変わりが始まる6歳から12歳ごろまでを対象としています。

成人矯正との決定的な違いは、目的が「歯を並べる」ではなく「歯が自然に並ぶようにサポートする」点です。また、歯だけではなく顎骨や口周りの筋肉にも影響する点も、小児矯正の特徴といえます。
成人矯正にはない小児矯正のメリットについて、詳しくご説明いたします。

顎を自然に広げられる

歯の生え変わりの時期は顎の成長期でもあります。
成長途中の骨は柔らかいため、専用の装置を使えば自然に広げることが可能です。顎が広がればそのぶん歯が並びやすくなり、重なって生えるリスクをおさえられます。
骨の成長を終えた成人の場合だとそれが難しく、手術が必要になったり、矯正治療で歯を並べる際は抜歯をしてスペースを作らなくてはいけません。虫歯のない健康な歯であっても対象となるため、予防を大切にしている方にこそ小児矯正がおすすめです。

治療中の痛みが少ない

小児矯正の対象であるお子様は顎骨が柔らかいため、成人よりも治療中の痛みを感じにくい傾向にあります。痛みに意識が向きにくいことから、精神的なストレスは少ないといえるでしょう。食事も問題なく取ることができます。

顎の歪みを抑制できる

上下の顎のバランスが崩れていて、歯並びや噛み合わせに影響しているケースも少なくありません。顎骨を自然に広げられる小児矯正では、上下のバランスを整えられるため、歯並びが崩れるリスクをおさえられます。口周りの筋肉の負担も偏りにくくなることから、お顔も左右対称になりやすいです。

口周りの癖の改善にも効果的

治療法によっては永久歯を正しい位置へ誘導するだけでなく、唇や頬、舌の筋肉を鍛える効果もあります。口周りの癖は出っ歯や受け口、開咬(奥歯で噛んだときに前歯部が開いている状態)などの原因になりやすく、発音障害や口呼吸を引き起こすこともあるため、早めの改善がおすすめです。

小児矯正にはない成人矯正のメリット

成人矯正は、永久歯が生えそろった方を対象とした矯正治療で、歯を並べたり、噛み合わせを整える目的でおこなわれます。

一般的な矯正治療のイメージは成人矯正の効果を目的としたものがほとんどであり、だからこそ小児矯正とのちがいを正しく理解することが大切です。
小児矯正にはない成人矯正のメリットについて、詳しくみていきましょう。

歯並びを細かく整えることができる

歯を動かすことがメインであるため、歯並びはもちろん噛み合わせもしっかり整えられます。小児矯正の二期治療(小児矯正終了後に延長して行う成人矯正)では、歯並びや噛み合わせの微調整をおこないますが、治療方法は成人矯正とほぼ変わりません。
歯並びや噛み合わせを細かく整えることは、顎関節症予防にも効果的です。

年齢制限がない

年齢制限がある小児矯正とはちがい、成人矯正はお口の状態に問題がなければ何歳からでも始められます。虫歯や歯周病といった問題がみられる場合は、事前に治しておかなくてはいけません。歯のグラつきがみられる重度の歯周病では、矯正治療が難しいことがあります。

トータルの治療期間が短い

成人矯正の治療期間は平均1年半~2年半です。一方小児矯正は永久歯が生えそろうまで続ける必要があるため、途中の経過観察の期間を含めると5年くらいかかります。そのうち装置をつけている期間は1〜2年ほどですが、経過観察の期間も3か月に1回の通院は欠かせません。永久歯が生えそろった後におこなう成人矯正は、経過観察の必要がないぶん治療期間が短めですが、抜歯が必要な歯並びだったり骨格に問題があったりすると、トータルの治療期間が長引く傾向にあります。

小児矯正を受ければ矯正治療は必要ない?

小児矯正はあくまで「歯が自然に並ぶためのサポート」であり、100%理想どおりの状態に仕上げられるわけではありません。歯の動き方には個人差があるため、どうしても微調整が必要になる場合もあります。
微調整が必要な場合は、二期治療として成人矯正とほぼ同じやり方で治療を継続することになります。

小児矯正をせずに成人矯正をするデメリットは?

「成人矯正が必要になる可能性があるなら、小児矯正をする意味がないのでは?」と疑問に感じる方も多いと思いますが、小児矯正だからこそ得られるメリットは、将来の歯並びやお口の状態を左右することが多く、一概に必要ないとは言いきれません。
成人矯正からはじめるデメリットについてみていきましょう。

抜歯をしてスペースを作る

顎骨の成長が止まっているため、小児矯正と同じ装置を使っても広げることができず、歯を並べるには抜歯をしてスペースを作る必要があります。対象となる歯は前から4番目になる場合がほとんどで、虫歯がない健康な状態であっても変更はできません。
将来的に虫歯や歯周病で歯を失う可能性はゼロではないため、できるだけ事前に顎を広げて抜歯を防ぐことをおすすめします。

重度の歯周病の場合は治療自体が難しい

歯周病が進行すると歯を支える骨が溶かされてグラつきがみられるようになります。歯が動く状態では矯正治療ができません。歯周病治療をして改善がみられれば矯正治療に移れますが、難しい場合は顎骨を増やす外科治療などをして判断します。

骨格に問題がある場合は高確率で手術が必要

装置を使って顎の大きさや位置を変えられないからこそ、骨格に問題がある場合は高い確率で手術が必要です。もちろん、手術をせずに治せることもありますが、無理に歯だけを動かすとかえって仕上がりが悪くなる場合もあるため、注意しなければいけません。

矯正治療をはじめるタイミング迷われている方は一度ご相談を

小児矯正と成人矯正のどちらから始めるかでお悩みになる方はとても多いです。
両方にメリットとデメリットがあり、歯並びや顎骨の状態、口周りの癖の有無でも適切な方法が異なるため、当院では一度ご相談いただくようお伝えしております。とくに口周りの癖が残っている状態では、成人矯正を受けたとしても癖によって再び崩れる場合が多いため、注意しなくてはいけません。

矯正治療をするには事前に精密検査が必要であり、検査結果をもとに治療計画をたてます。検査を受けたらかならず矯正治療を開始しなければいけないというわけではありませんので、ご安心ください。

お子様の歯並びが気になるという方は、お気軽にご相談いただければと思います。

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